INFO:
自然界で形成されるパターンの美しさと複雑さの中心にある「せめぎ合う引力」は、拮抗の表れとして「カオスの縁」を成し、ごくわずかな変化が全体に大きな作用を及ぼします。本作では、規則正しい幾何学模様を重ね合わせた時に、周期のずれによって視覚的に発生する縞模様(干渉縞)「モアレ」に着目。幾重の布のレイヤーによって生まれる多様なモアレは、ミクロレベルではシンプルなパターン(部分)ですが、集合として全体を成すことで複雑化され、ムクドリの群れのように高いレベルの組織化された抽象的パターンを創出します。また、干渉の連続からは複数の「うねり」が立ち上がり、このうねりは、互いに作用し合うことで絶えず成長するように変化し続けます。気流が台風に、潮の流れが渦となるように、単純さと複雑さは常に共生的で互いに絡み合っているのです。
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